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逢いたいから~恋とも呼べない恋の話~

第6章 Tomorrow~それぞれの明日~

「それじゃあ、僕はこれからスタジオに戻って、仕事の仕上げをしないといけないので。時間を取らせてしまって、申し訳ありませんでした」
 祐一郎が立ち上がった。
 萌は一年前のあのときから、一挙に今へと戻ってくる。
 見上げた先には、一年の時を経た彼がいた。
「お話しできて、良かったです」
 萌は心から言った。
「祐一郎さん、これからも素敵な写真を撮って下さい。たくさんの人に良い想い出を作ってあげて下さいね」
「頑張りますよ。萌さんもまた、スタジオにも遊びに来て下さいね。ご家族の写真、撮らせて貰いますから」
 祐一郎は片手を上げ、軽く頭を下げると、ゆっくりと去っていった。その広い肩には、一眼レフがかかっている。
 遠ざかる彼の背中から、視線を庭の紫陽花に移した萌の眼を煌めく雨滴が眩しく射貫いた。

(THE END ~今まで、

ありがとうございました☆ 作者)
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