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果てない空の向こう側【ARS】

第8章 握る(雅紀)

次の日の夜、母さんとふたりでミッチャンの家に行った。

インターホンを押すと、ミッチャンが出迎えてくれた。

居間に通されると、ミッチャンのご両親がいた。

母「いつも雅紀がお世話になっています。」

母さんはそう言うと、持参した菓子折りを渡した。

ミ母「あらあら、ご丁寧にすみません。こちらこそ、娘がいつもお邪魔して…。」

ミッチャンのお父さんは、黙ってソファに座っている。

『大切な話があるから』と言って、お父さんがいる時間に来たんだ。

お父さんも薄々話しの内容は気づいてると思う。

しかも、俺の母さんも一緒だということで、『大切な話しの“さらにその先”』まで勘づいてるような雰囲気だ。

雅「あの、おじさん…。」

ミッチャンとは、高校の時からお互いの家を行き来している。

ミッチャンのご両親は、『おじさん、おばさん』と呼ぶ仲だ。

その気が知れた仲のはずのおじさんが、今日ばかりは怖くてしかたがない。

俺は、ミッチャンを見た。

ミッチャンは、俺の目を見てうなずいた。

俺は、意を決して話しを切り出した。

雅「おじさん、おばさん、ミッチャンと結婚させてください! ミッチャンのお腹には、俺の赤ちゃんがいます!」

おじさんの顔が厳しくなった。

おばさんも、さっきの笑顔が消え、真剣な顔つきになった。

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