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長「で、大丈夫なの？ お前。」


智「大丈夫って…、何がだよ。」


とぼけてみたけど、俺は長瀬が言いたいことを痛いほど理解していた。


長「何がって…、家だよ。兄貴のお前がいつまでもふらふらしてないで、仕事した方がいいんじゃねぇの。」


長瀬は中学の時からの友達で、俺んちの家庭の事情はすべて知っている。


長「翔みたいなサラリーマンとはいかなくても、フィギュアや模型作る会社とかあんじゃねぇの？」


智「……、そだな。考えてみるよ。」


俺は長瀬に礼を言うと、店を出た。


長瀬の店のあるテナントビルの隣は花屋だ。


俺は花屋の前で足をとめると、紫の花の鉢植えをひとつ選んだ。


封筒からお金を払うと、俺は鉢植えの入った袋を提げて家に向かって歩き出した。