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果てない空の向こう側【ARS】

第11章 果てない空の向こう側(智)

和「智兄、手紙が来てるよ。」

2回ドアをノックした後、和也が入って来た。

智「サンキュ。和也、お前今日は休みか?」

俺は銀粘土で制作中のシルバーアクセサリーを机に置くと、和也から手紙を受け取った。

和也「うん、今日と明日は泊まるよ。城島先生のところには、あさっての朝に帰る。それにしても、飽きずに送ってくるね、そのエアメール。」

和也から手渡されたのは、封筒に赤と青の模様で縁取られたエアメールだった。

和「スペインからでしょ? 美大の時の人?」

智「いいじゃん。お前には関係ねーし。」

俺は、エアメールを引き出しにしまった。

和「関係ないけどさ…。たまには返事書いてあげたら?」

智「うるせーな。制作中だから出ていけよ。」

その時、玄関のインターホンが鳴った。

和「あ、きっとリリーだ。漫研の新刊持って来るって言ってたから。」

和也は、バタバタと部屋を出て階段を下りて行った。

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