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果てない空の向こう側【ARS】

第11章 果てない空の向こう側(智)

俺は和也にせっつかれて自転車にまたがった。

釣りの道具は、和也が用意してくれていた。

目的の海浜公園は、自転車で30分ほど。

俺は竿のケースを肩にかけて、和也の後ろを走った。

しばらく走ったが、朝から飲まず食わずで出発したから、腹が減ってのどがカラカラだ。

智「和也、待ってくれよ。腹減った…。」

和也は振り返ると、ため息をついて自転車を止めた。

和也「はいよ。」

和也は、リュックサックから水筒とおにぎりを出してくれた。

俺は、石段に腰掛けると、おにぎりにかぶりついた。

智「うめーなー。このわかめのおにぎり。」

和也「混ぜごはんの素を混ぜただけだよ。」

和也も、おにぎりをかじった。

和也「わお…。」

東の空、ビルの影から日が昇ってきた。

あたりは一面の朝焼けに包まれた。

ふたりはしばらく朝焼けに見入っていた。

和也「魚がいなくなる。はやく行こう。」

俺たちは、再び自転車をこぎだした。

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