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果てない空の向こう側【ARS】

第11章 果てない空の向こう側(智)

和「これ、売れてるの?」

智「………。」

長瀬の店に置かせてもらってる俺のシルバーアクセサリーは、先月も今月もひとつも売れていなかった。

和也はだんまりを決め込む俺を見て、ため息をついた。

俺は言葉がなく、もう一服、煙を深く吸い込んだ。

頭の奥がぼんやりしてきた。

和「そうだ、智兄。明日釣りに行こうよ。」

智「釣り?」

和「父さんとよく行ったじゃん。海浜公園。自転車こいでさ。俺は父さんの後ろに乗って。」

智「あー…、懐かしいな。」

和也は窓辺に立って空を見つめた。

和「明日はきっといい天気だよ。絶対に行こうね?」

智「んー…」

俺はそのままだんだん意識が薄れていくのを感じた。



次の日の朝、まだ夜が明けきらないうちに和也が起こしに来た。

智「なんだよ、こんな時間に。」

和「はやく起きて。釣りに行く約束したじゃん。」

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