テキストサイズ

ディアブロ☆~共同生活約150日~

第14章 初めて


季節は秋を過ぎて

すっかり冬の匂いが漂っていた。




そんなある日の朝

私はいつも通り仕事前の

メンバーに朝食を作っていた。






「ゲホッゲホッ…。おはよ。」


「おはよー!あれ?

琉斗くん風邪?」





咳込みながら起きてきた琉斗くんに

純くんは心配そうに駆け寄った。






「ちょっと風邪引いたかも。」



『大丈夫ですか?

今夜あったまる物作りますね!』



「あれ…琉斗くん熱あるんじゃない?」






純くんは琉斗くんの額に手を当てた。




確かに琉斗くんはなんとなく

目がうつろで、顔は赤らんで見えた。





「ちょっとな。でも大丈夫。

今日も忙しいし。」



「本当?ならいいけど…。」






きっと結構熱があるに違いない。





それからメンバー全員と朝食を食べたが

琉斗くんはあまり食欲が無かった様子だった。







「じゃ、今夜遅いから陽菜よろしく。」



『はい。わかりました。』




まだ眠たそうな逞くんに続けて

メンバー全員が寮を出ようとしていた。







『あ、琉斗くん?』



「ん?」



『これ、風邪薬。

市販薬だけど飲まないよりは

ましだと思うので。

一応朝昼晩の分なので

仕事行く前に朝の分飲んでください。』



「ありがとう。

じゃあ…。」



『いってらっしゃい。』







私は琉斗くんに薬を手渡して

見送った。





ストーリーメニュー

TOPTOPへ