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隣人は狼系男子っ!

第2章 新学期で新生活

「うぅ……やだもう……うっ……うぅ……」

泣いたって何の解決にもならないことはわかっている。

けど、道もわからない、スマホもない、体力も気力ももう残ってないと、ないないづくしで一歩も動く気になれなかった。

さっきまでうっすらとかいていた汗が冷え、体がどんどん冷えていき余計惨めな気持ちになっていく。

「ねぇ……わたしどうしたらいいの……」

黙っていると不安で押しつぶされそうになるせいか、自然とひとりごとが増えていく。

「もう歩けないし……どうしよう……うぅぅぅ……」

ひとりごとを言えば言うほど、涙をとまらなくなり、ここが公園であることも忘れ、ついに地元の海でのストレス発散法のように大声を張り上げる。

「ねぇぇ!! どうしたらいいの!!!?」

「どうもこうも、まずは黙れよ」

「え?」

自分の背後から見知らぬ男の声がしたので、とっさに振り返る。

「ぶっさいくな泣き顔」

初対面の、しかもか弱い女子が泣いてるのにも関わらず、不躾な言葉を投げかけてきた声の主は、黒髪で鋭い切れ長の目をした、長身の美形であった。

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