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隣人は狼系男子っ!

第2章 新学期で新生活

すると、ぐっと荷物が引っ張られ、引き止められる。

「荷物運んでやるから……住所とか建物名とかもわからねぇの?」

この人はいい人なんだか悪い人なんだか本当によくわからない。
口と態度が悪いのは間違いないのだが、困っているひなのを手助けしてくれる良い人であるようにも思える。
腹が立つけど、道もわからなければ体力もあまりない状態なので、おとなしくこの男に頼ることにする。

「住所は引っ越してきたばかりなのでわかりません……けど、建物の名前は『エルミタージュ桜』といいます。お庭に大きな桜の木があって……」

『エルミタージュ桜』という名前を聞いた瞬間、男の目が大きく見開かれた気がした。
しかし、それは一瞬のことですぐにいつものぶっきらぼうな表情へと戻る。

「ああ……あの辺か。道はわかるから安心しろ」

そういって男は、ひなのの手荷物を全部持って歩き出した。
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