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方位磁石の指す方向。

第10章 scene 9






「ひゃぁっ、」

「おい、二宮っ…」


智くんと同様、
なんもないとこで
ズッコケそうになる二宮を抱き留めた。

その刹那、
二宮の唇が首筋に触れた。


「っ、ごめっ…」

「あ、いやいや大丈夫。」


二宮の唇の温もりが、
首筋にまだ残っている。

ほんの少しだけども。


「わー、翔ちゃん顔真っ赤〜」

「うるせっ」

「翔くん顔赤いー」

「智くんもっ!」


そんな俺たち三人を見て、
二宮が顔を赤くしながら笑う。

一人取り残された松本は、
ただただ笑っている。


「あぁ、もう。
みんなやめてっ。」

「えー、翔ちゃんいじるの楽しぃ〜」

「雅紀、お前シバくぞ。」

「えっ、翔くんやめて…?」

「智くん、嘘だから…」


天然なふたりを対処するのは、
すげー体力使う。

ふたりとも、
確信犯なんじゃないかってくらい
天然で、扱いが難しい。

ちょっと冗談を言うと、
すぐに本気にしちゃうし…。


「ぁあっ、もうこんな時間!」

「えー…行きたくなぁい」

「智くん、そういう事言わないの。
もう受験生なんだから。」


お母さんみたい。


二宮と松本からそう言われ、
ふたりの頭を小突いた。

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