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異世界での出来事

第3章 村人A

次の日の朝、龍之介は賢者様に呼ばれた。

「これから隣村まで視察に行く。同行しなさい。」

「解りました。」

隣村までは、馬車で2時間だった。

賢者様は、馬車の中で龍之介にこう説明した。

「龍之介のこれからのことなんじゃが。

隣村に、国王様から戴いた土地が5町ほどある。

そこで開墾をし、生計をたてなさい。

その土地を、ぬしにやろう。

商業ギルドへは申請済じゃ。

間違っても冒険者ギルドへの申請はせんほうが身のためじゃ。」

「商業ギルドって、なにするところですか?」

「お前さんが作った物や商品を売り買いできるようにするのが、商業ギルドじゃ。登録せずに売り買いするのは違法なんじゃよ。覚えておくんじゃな。」

隣村に入り、村長さんに挨拶をする。

「いやー、関心、関心。最近の若いもんは、冒険だ!カッコいいだのばかり言うのに、農業をしたいって。うん。うん。」

村長のところに、村の老人達が集まってきた。

「農業をするってか!よーし、それじゃ、ワシは芋をやろう!」

「私は人参を。」

「わしは、きゅうりを。」

「私は、茄子を。」

「わしは、トウモロコシを。」

「私は、トマトを。」

「わしは、麦を。」

まだ、開墾もしてないのに...

一通り、挨拶を済ませ、貰った土地に行く。

小高い丘を中心に500m×500mが自分の土地。

土地を眺めて、一言呟く。

「荒れてますね。」

「土地なんてものは、こんなもんじゃよ。ははははっ!」

(タダで貰った土地だから、文句は言わないでおこう。)

「明日から、ここで生活するとよい。」

「えっ!城で働かせてもらえるんじゃないのですか!」

「戦闘が出来ない者は、城には居れんのじゃよ。」

「そ、そうなんですね。だったら、今から生活します。」

(今日でも、明日でも、たいして変わらんな。)

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