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異世界での出来事

第6章 非道なる治癒

首都を離れて、1時間馬車で走った峠の中腹辺りで休憩することに。

この辺りは、岩が剥き出しの絶壁に近い山肌をしている。

そのため。木々は生殖を許されず。ほとんど生えていない。

岩の下には、小さいながらも少しだけ水が流れていた。

この程度の水だと里は潤せないなぁー。

って、そのために休憩にしたわけではない。

「スキア!剣を持ってこい!」

「はーいっ。」

スキアから剣を渡され、剣を振りながら舞う。

へっぴり腰で舞っているので、二人から笑われる。

そんなことは無視して踊りを続ける。

(この剣がオリハルコンに変わりますように!)

そう、願いながら舞を踊る。

真剣に中段の構えをとっていると、突然光だした。

銅剣よりかるくなっている気がする。

剣の持ち手の少し上に、にぎり石大の魔石を埋め込む。

黒光する魔石を確認して「出来たぞ!」

駆け寄る二人に見せる龍之介。

スキアはまだ信じられないという顔をする。

「いいから、振ってみろ!」

スキアの剣さばきは様になっていた。

「よし、次は魔石から、魔力を放出させるように剣を振れ。」

真剣なスキア、何かを感じたのであろう

あっさり、剣に炎が巻き付き、そのまま剣を振ると、絶壁目掛けて飛んでいく。

絶壁を少しだけ壊す。

「まだまだだな。」

「すごいですよ。火魔法ですよ。私、こんなの初めてです。」

「それで嬉しがるなよ。もっと、魔力を剣に貯めてから放て。」

また剣に炎を巻き、少し時間を掛けているようだ。

そして放った炎は絶壁目掛けて飛んでいき、絶壁に穴をあけた。

「これ。危険じゃないですか?」

「力の配分が判れば問題ない。」

魔石の上に手を置き魔力を注入する。

25%ってところか!

「今の威力なら4発で魔力は無くなるぞ。」

「えっ?」

スキアが魔石を見ると黒く光っている。

先ほど見たときには確かに青かったのに。

「魔力を注入出来るんですか?」

「ああ、だけど、このことは3人の秘密な。」

「解りました。」ハモる二人。

スキアは、銅剣の時には、どうでもいい扱いをしていたのに

オリハルコン製の魔剣になると、大事そうに両手で抱えていた。

街道沿いに竹が生えていたので、竹を切って水筒にする。

水筒に麦茶を入れて、作ったコップに牛乳を入れて飲み、

村へと帰路にたつ。

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