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兄とイケないこと始めませんか?

第1章 イケないこと……

「……い…壱兄…!?」


そこには、6歳差の壱兄の姿があった。
嘘でしょ!?もう2時だよ……なんでっ

「……1年ぶりか?妹ちゃん」

「……」

「新月の空のもと、なにやってんのかな?……妹ちゃん?」


怖い……壱兄のこんな顔初めて見る……
怒ってる?怒ってるよね??

服がはだけた男女のこの状況を兄になんと説明したものか……


「妹ちゃん……まだ高校生じゃなかったっけ?」

「……はい」

「こんなんじゃ俺、なんの為に一人暮らし始めたかわかんなくなるよね………」

「……ん?な……なんて言ったの?」

「いつまでそいつに跨ってんの??」

「……あっ!お……おります………」


すっと立ち上がるついでに軽く服装を正した。

壱兄、笑顔なんだけど目が笑ってない……
なんだろうこの微妙な距離、2メートル。

秒で測ると5秒ぐらいだろうがすごく長く感じる沈黙。
もう壱兄の顔は見れない……

………………ビクッ

突然腕を掴まれたかと思うとグイッと引っ張られた。

「………ぇ……あのっ……」

「………」

「どこ…行くの?」

「……………」


全く反応が返ってこない……


「……い…痛いよ……離して……」

「……………」

「…い……いち兄…?」

「……ここ入れっ」

壱兄は子供の頃よく遊んでいたドーム型の遊具を指差した。

「…え?……なんっ」

「入れ」

「は…はい………」

子供用の入り口は狭く中も膝立ちがやっとの高さだ。


「……んっ…ちょっ…押さないでよっ」

狭い空間のなかに無理やり私を押し込み、壱兄も中に入った。


……………グイッ

「……っ!?」

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