君がいるから~Sweet Life~
第7章 i
分かりきってる事なのに
翔ちゃんの言葉に、何故か心が重くなった
この気持ちは何なんだろう
…やっぱ後ろめたさとかが、あるのかな
おばさん達は、俺達の事は理解して認めてくれているのに
うちの親だって、諸手を挙げて賛成って訳じゃないけど反対もしてないのに
いや、違う
未来に何も残せないと言う、罪悪感
…多分、これだ
それからは、翔ちゃんとおばさんの話は上の空で
何を喋ったのか覚えていない
気が付いたら、おばさんに
「うちにも遊びに来なさいね!」
って手を握られていて
…話が済んだのか帰っていくところだった
玄関で翔ちゃんと並んでおばさんを見送って
ドアが閉められた後
俺は無言で手を引っ張られ
有無を言わさずに椅子に座らされた
「なに…翔ちゃん、どうしたの?」
「それはこっちの台詞だよ」
翔ちゃんが目の前にしゃがみこむ
下から見上げるような姿勢の翔ちゃんが、両手で俺の顔を挟んだ
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