君がいるから~Sweet Life~
第7章 i
「何で、そんな暗い顔してるの」
翔ちゃんが心配そうに顔を覗き込む
「なんでもないよ…」
「嘘、…言ってよ智」
真剣な翔ちゃんの顔、久しぶりに見た気がする
凄く目力があるんだよね、ふざけてない時って
「何かさ…」
「ん?」
「翔ちゃんとこの親にも、俺の親にも、孫っつー楽しみはあげられないんだなって思ったら…」
思わず俯いた
こんなの俺らしくない
だけど今日は、翔ちゃんの言葉がやけに残ってる
「それって…」
「さっき、翔ちゃんがおばさんに言ったじゃん」
翔ちゃんは俯いた俺を更に下から覗いて、ゆっくりと顔を上げさせた
やべぇ
何で泣きそうなんだよ、俺
翔ちゃんの顔をまともに見れない
「あのさ、智」
翔ちゃんが俺の頬を包む
「そんなの、男同士とか関係ないよ?」
「でも…」
「世の中、子どもがいない夫婦がどれだけいると思ってんの
…幸せは、子どもだけじゃないだろ」
「翔ちゃん…」
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