君がいるから~Sweet Life~
第8章 f
二宮の言葉は、俺の胸に強く響いた
そうだよな
決めるのは俺じゃない
"お願い "はしても、答えるのは智なんだ
「なんか…感動した」
「は?」
「いや、お前の考え方がさ。…雅紀にはもったいない」
「なんですか、それ」
二宮が吹き出したから、俺もつられて吹き出した
二人でひとしきり笑った後
「ありがとな、二宮」
俺が感謝を伝えると
「あ、お礼ならここの奢りでいいですから」
いたずらっ子みたいに二宮が言うから
「調子に乗るな」
とりあえず、二宮のおでこを小突いてやった
…なんて言いながら払おうと思う俺も、本当甘いよな
「で、引き受けるんですか?」
話が戻った
「智と相談する。俺の気持ちも全部伝えてみるよ」
ー…それなら後悔なく決められそうだ
「櫻井さん…気付いてないんですか?」
「え?」
何を?
「…本当は、行きたいんでしょ?」
二宮のその台詞に
俺は、言葉を失った
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える