君がいるから~Sweet Life~
第8章 f
帰り道
運転しながらも頭の中は、二宮の言葉が駆け巡っていた
そうだ
ごちゃごちゃ言い訳してるけど
…行きたいんだよ、本当は
自分の力を、試してみたいんだ
それを智の事を理由にして、出世したくないなんて見栄張って
弱い部分を必死に隠してたんだ
ー…帰ったら、きちんと話そう
勿論一緒に来て欲しい事も伝えて、それがどんな答えでも
必ず受け止めるんだ
もし離れて暮らす事になっても、別れるつもりなんかないんだし
玄関を開けると、既に灯りが付いていて
夕飯の良い匂いが立ち込めていた
「ただいまー」
リビングに入ると
「あ、おかえりー…タイミングばっちりだな」
智がテーブルに夕食を並べながら笑う
「あのさ、智」
「なにー?」
「大事な話があるんだ」
俺の言葉に、一瞬智の動きが止まった
「…やっと言う気になったんだ」
だけどすぐに、ふにゃっと笑う
「こないだの、様子がおかしかった時の事でしょ?…なかなか吐かなかったやつ」
「うん…今さらでごめん」
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