君がいるから~Sweet Life~
第5章 t
全てを片付けた智が、ペタペタとこっちに来た
「にの、刺身食べよ」
俯く二宮を下から覗き込んで、ニコッと笑う
「今日釣ったやつだから、旨いよ?」
余計な事を聞かないのが、智の良いところ
二宮も、コクンと頷いてるし
智は、二宮の顔を両手で挟んで
前を向かせると
「ほら、旨いもん食って元気出せ」
ムニュっとその手に力を入れた
唇が押し出された顔になった二宮が
ようやく、少し笑った
「美味しい!」
さっきまでの泣き顔から一転して
次々と刺身に箸を伸ばす二宮
ホッとして、智を見ると
智もまた、俺を見て
思わず微笑み合った
「もー…見せつけないでくださいよ」
しっかりそれを見ていた二宮から
呆れ口調で言われ
「うるせぇ、黙って食え」
つい、照れ隠しで強く言うと
「あー、怖い怖い」
なんておどけて返してくる
…だからさ、こいつ
部下、だよね?
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