アップルパイと君の隣で
第4章 アップル味の
波乱のお泊り会はこうして幕を閉じた。
結局は後輩と話をして朝食を作ってもらって、一緒に食べただけだった。
「これで良かった...んだよね」
警戒していた分拍子抜けしてしまった。
仕事からの帰り道、そんなことを考えながら独り言をつぶやく。
「あれ?鍵が...」
家に着くと確かにかけたはずの鍵がかかっていない。
ドアを開けて中を除くと明かりもついていた。
「何で...」
まさか泥棒...?
最近の女の一人暮らしは物騒なことが多いとは言うが。
私は警戒しながら靴を脱ぐと忍び足でリビングへと向かう。
「先輩?」
「きゃぁぁぁぁ!!」
突然、声をかけられて息が止まるかと思った。
「って...佳奈!?」
「おかえりなさい先輩♪きゃぁって先輩にも女らしいところあったんですね」
皮肉と一緒に私を迎えた佳奈が微笑む。