アップルパイと君の隣で
第17章 メールを送るには
やっぱり。
電話だって用事のある時にしかしないし...
それもほとんどが私からで、先輩からの電話なんてレア中のレアだ。
「何か恋人っぽくない...?」
いや、まぁ今までそれで不便してこなかったのだから、今更何をとも思うが。
メールの返信を待ってやきもきしたり、浮かれたり、そういう物があっても良いんじゃないだろうか。
うん!そうと決まったら、さっそく行動だ。
(今日の夕食は先輩の好きなチキン南蛮ですよ!早く帰って来て下さいね!)と
先輩はこれを見てどう思うだろうか?
送信ボタンを押す前にメッセージを見返して悩む。
う~ん
早く帰って来てという部分が少し厚かましいような気がしてくる。
待ってます!のが良いかな。
うん。そうしよう。
改めてメッセージを書き直すと送信ボタンを押す。
ふぅ。さて、夕食作りだ。
このメールを見た先輩が少しは家に帰るのが楽しみになってくれたら良いのに。