アップルパイと君の隣で
第4章 アップル味の
「はぁ。じゃあ早くめし食ったら帰りなさいよ」
「んーじゃあ今日はそうします」
今日はって何!?今日はって!
「あっでもぉ先輩が1つお願い聞いてくれたらですけど」
にぃっと黒い笑みを浮かべた佳奈は両手を後ろで組むと少し背伸びをして私と目線を合わせる。
「またかよ...」
「どうします?」
きっとそう言えば私が拒めないことを分かっていてやっている。
「分かったわよ」
そう頷いた私に桜色の唇が軽く触れた。
リップでも塗っていたのだろうか。
2度目のキスは幼さを残したアップル味だった。