アップルパイと君の隣で
第1章 先輩キスして下さい。
「やっぱり先輩ですかぁ、久しぶりですね」
佳奈はくすっと笑うと私を見つめた。
「おーっ!久しぶりだねっ!!佳奈!二年ぶりぐらいかな?今どうしてんだよぉっ!!」
久しぶりに会う後輩にテンションが上がる。
私は社会人三年目の24歳。
佳奈は2つ年下で順当にいっていれば今年から社会人になっている筈だ。
「あぁ、私大学中退したんですよ。今は仕事の帰りです」
「中退!?何で!?」
あんなに楽しそうに学校に通っていただけに驚きが隠せない。
「まぁ、色々あって」
「...そっか」
いくら先輩だからって何でも話すわけではないのだろう。
前は何でも相談してくれたのにと思うと少し寂しい気持ちになる。