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キミまでの距離

第2章 募る想い

“和のスウェット”を渡したら笑って受け取った。

先に風呂を勧めて、溜める?って訊いたらシャワーでいいって。

脱衣所に行ってバスタオルの在りかと風呂の説明をして、

「見ないでねー。」

「どうかなー?」

ふざけて言い合った。

俺は適当に、そこら辺を片付けて、

俺は明日は仕事だけど和は?って思ってたら、

「お先ー。ありがとう。」

和が頭を拭きながら出てきた。

もう…。

もーー。

何度抱きしめたい衝動を我慢すればいいんだよ。
ちょっと固まってしまう。

「雅紀、どーぞ。」

「はい。いってきます。」

そそくさと風呂場へと向かった。

もう今勢いで抱きついてもよかったのかもしれない。

はあ。意気地なし。

そんなことを思ってたら、

あ、違う!

慌ててUターンして冷蔵庫から水のペットボトルを取り出して和に渡す。

「ありがとう。」

「うん。じゃあ入ってくる。適当にテレビでも観てて。」

再び風呂場へ行く。

あ、和は明日 仕事か聞くの忘れた…
上がったら聞かないと。

シャワーを浴びてスッキリした体と頭で和のところへ戻る。

と…

ソファで うとうとしてる。

仕事で疲れてたかな。
今日 初めての人と会ったし気疲れもしたんだね。

そっと和の髪の毛を撫でて起こす。

「和。ベッドで寝よ?」

「…ん。」

半分目を開けて立ち上がる和の手を引いて寝室に行く。

「和、明日は仕事?」

「うん。」

「そっか。じゃあ こないだの時間くらいに起こすね。」

「うん。おやすみ。」

「おやすみ。」

……

「ね、和?」

「ん?」

「後ろ向いてくれない?」

「う…ん…?」

ゴロンと反対を向いた和を後ろから抱きしめた。

「ごめん。このまま。少しだけ。」

「うん。」

和の体に腕も脚も絡めて目を閉じた。

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