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キミまでの距離

第2章 募る想い

「翔ちゃん、ごちそうさま!」

「ごちそうさまでした。」

ふたりでお礼を言って…翔ちゃんと駅で別れる時。

翔ちゃんが俺の肩をグイッと掴んで耳元で、

「和は可愛いなー。ほんとお前が言ってたのがよくわかった。」



「好きにならないでね、取らないでね、ってヤツ。」



「翔ちゃん!」

でっかい声を出してしまった。

ふふって翔ちゃんは笑って、

「二宮くん。また飲もうね。」

しれっと和にハグした。

もーっ!

さわんな!

睨んだら、こわーっ、って、ふざけながら手を振って改札に消えて行った。

……

きょとんと和が俺を見る。

「帰ろ。」

俺はちょっと和の腕を掴んで歩き出した。

「たのしかった。」

和が言うから俺も、そうだね、また飲もうね、と言った。

ここでバイバイだ、って場所で立ち止まり…

んー。困った。
別れたくない。
離れたくない。

勇気を出して、でも普通っぽく言った。

「和、お泊りする?」

「…うん。いーの?」

よっしゃ!

心の中でガッツポーズ。

「いーの!」

こないだのスウェットは和専用ね、って、うひゃひゃ笑いながら言う。
今後もお泊まりを普通にするために。

和はわかってんのか…

ふふふって笑ってる。

なんなら、風呂も一緒に入りたいくらいなんだけど。

和と並んで帰る道。

手を繋ぎそうになるのをグッと堪えて歩いた。

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