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キミのとなり

第10章 幼馴染み

「それはないよ。」

即答された。

「なんで?」

「なんででも。」

ふふんと笑う大野さん。

この人は部活の先輩。
美術部の。
絵めっちゃ上手い。

俺は…ユーレイ?部員。ただいるだけの部員。
時々、大野さんもビックリな傑作?を創り出したりする。
この学校、原則的に部活へ…って学校だから。

「お前こそ、昨日どうだった?」

俺が合コンもどきのことを話してたから聞いてきた。

「それ、マサキには今朝 聞かれなかった。」

「そっかぁ。めっちゃ聞きたいはずなのにね。すげぇ気になってるはずだし。」

「大野さん、なんか聞いてるの?」

「んあぁ?」

なんちゅー声よ。

「で?どうだったんだ?」

「どーもこーも。なんにもない。」

「そっか。よかったな。」

「そう?」

「そうだよ。」

「そっかなぁ。」

「お前もう認めろよ。てか、もう自分でも歯止め効かないとこまできてるでしょ。」

「……」

「さっきの。昨日、なんにもない、っての相葉くんに言ってやれ。」

そう言って頭をポンポンってされた。
心地いい。この人といると。

気持ちを隠さないで済むし、身構えなくて済むんだ。

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