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キミのとなり

第13章 きづいてよ

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ニノが小柄だとはいえ。

酔っ払って脱力した成人男性を連れて帰るのは大変。

「ニノー。ちょっと大丈夫?しっかりして。ちょっと歩いてー。」

1人が酔っ払うと1人は酔いが覚めるもので。

俺はもう一度しっかりとニノを抱き寄せて部屋へと進む。

「ニノ。何階?カギは?」

「うーん…コレ。○○○号。」

「はいよ。」

オートロックを解除してマンションのエントランスをくぐり抜けてエレベーターに乗って…部屋へ辿り着いた。

玄関ドアを開けて…ヘトヘトな俺は力尽きそう。

ドサッとふたりで倒れ込み、玄関先で抱き合って変な姿。

「ぷっ。」

おかしくなって吹き出した。

「なんで笑ってんのー?」

トロンとした目でニノが言う。

「だって。おかしいよ、このカッコ。」

このままこうしているのも悪くない…
いやいや、ダメでしょーが。

余力を振り絞ってニノを中へと連れて行った。

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