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キミのとなり

第13章 きづいてよ

n side

あれから相葉さんと会えてない。

なんで携帯の番号、聞かなかったんだろ。

はぁー。
深いため息をついた。

「おはよー。元気?」

爽やかな顔をして楽屋に入ってきたこの人は同じ事務所の人。

「おはよ。翔ちゃん。」

続いて入ってきた人も。

「おはよ。潤くん。」

「おう!おはよー。」

今日は雑誌の対談の仕事。

いま人気の若手俳優って括りなのかな。
歳の近い俺らに声がかかったみたいだ。

それぞれ名前も顔も世に出てきて、それなりに仕事も貰えてる。
売れっ子といえば売れっ子な感じ。

この2人は なんだかんだ付き合いも長いし、一緒の仕事もあるし。
2人ともいい奴で話し易い。
楽屋で雑談をしてバカ笑いして、
その後の対談も真面目な話もざっくばらんな話も織り交ぜながらスムーズ終わり、帰る支度をして。

「近いうちに飲もうぜ!」

「いーねー。マジで近いうちに!」

潤くんと翔ちゃんが口々に言って“おつかれー”と手を振って別れた。

マンションの前。
カギ…カギ…バッグの中をガサゴソ漁ってたら、視界の端に見覚えのある顔。

俺が1番 会いたかったその人。

「ニノ!」

あの太陽みたいな笑顔で近づいてきた。

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