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キミのとなり

第13章 きづいてよ

a side

ニノんちで暮らし始めて数週間。

だいぶ慣れた。

ニノが早く帰ってて俺が帰ると、
風呂沸いてるよー、って言ってくれたり、
俺が先でニノにメールして、
ご飯あるよー、って一緒に食べたり。

俺が疲れ果てて先に寝てる時もあって。
翌日、リビングのテーブルにメモがあった時は じんわり心が温かくなった。

“冷蔵庫にヨーグルト入ってる。少しは食べて出掛けろよ”

ニノが泊まりで帰れない日は寂しいけど。

そう。俺もニノが帰って来る日にメモと栄養ドリンクを置いといた。

“おかえり!おつかれ!”



今日も地方から帰って来るなぁ、何日ぶりだっけ?ニノのことを考えながら帰宅する。
もう帰って来てるかな?

灯りがついてる。
リビングのドアを開けて
「ニノ!……」

しーっ、って自分に言う。
疲れてるんだね。ニノは眠ってた。
風呂には入ったらしい格好でソファに身を沈めている。

わ。しあわせそうな顔して寝てんな。

そうだ。
最初ニノを見た時も寝てた。

こんなしあわせな寝顔だったな。

かわいー。

いつから寝てんのかな。
ちゃんとベッドで眠ってよ。

「ニノ?」

肩を揺するけど起きない。

よし。

ニノを抱きかかえて、ニノの腕を俺の体に絡ませるように誘導しながら“ニノ?ベッドで寝なよ。”って喋りかける。

ニノを抱っこしてニノの部屋に運ぶ。

ちゃんと食ってんの?軽い体…ニノの寝息や匂いを感じながら移動する。

ニノをベッドに降ろす時、俺の頬とニノの頬がくっついてたのをいいことに、頬にかすめるように動かしてゆっくり唇を離した。

とくん。

確信する。
認めるしかない。

俺。ニノが好きなんだ。

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