出会い系な日々
第2章 東京の佳奈・口淫
とにかく佳奈とあのサイトから離れたかった
このままじゃ身動き出来なくなる
最低なのは百も承知
覚悟を決めるキッカケが必要だった
一体どんな事になるか想像するだけで怖い
けどやるしかない
俺はそれからしばらくそのサイトを見ず、佳奈との電話もメールも封印した
こうして佳奈とは一旦離れたが、彼女と触れ合った事で俺の中の何かが変わった
俺は高校卒業まで「初めてエッチした人と結婚する」などと、今思えば飛び蹴りしたくなる様な事を考えてたぐらい一途な男だった
小5の時に好きになった子を中2まで、中3の時に好きになった子を高校卒業まで思い続けた
もちろん告白しないまま
中3の時に好きになった子なんて中学卒業してから会う事もなかったのに、忘れられずに高校3年間誰も好きになれずじまい
もちろん当時付き合ってる彼女にも一途であり、浮気なんて考えてもいなかった
正直、女性を怖れる感情もあったと思う
それが崩れるキッカケになったのがセックスレスと中古パソコン
両方彼女から与えられたもの
今思うと浮気は必然だったとさえ思える
一人しか女を知らなかった男が彼女以外の裸に触れた事で、今まで抑えつけていた欲望が開放された
それは性への興味であり可能性だ
それまでは彼女が全てであり最高だった
でも密かに心の片隅にあった疑問
「もっと素晴らしいセックスがあるんじゃないか?」
今まで見て見ぬ振りしていたこの疑問が今回の浮気で剥き出しになったのだ
この瞬間から俺の中で出会い系の在り方が変わる
寂しさを埋めるものではなく、会話を楽しむものでもない
もっと直接的な性への興味を満たすためのものに
翌日から俺は佳奈のいないサイトでチャットをやり始めた