出会い系な日々
第2章 東京の佳奈・口淫
いろんな事があった二日間が終わった
現実感がなく夢を見てた感じ
ただ今まで自分に出来ると思ってなかった「浮気」という行為を実行した事に対して、ハッキリとした罪悪感と開放感は感じてた
この2つの葛藤は圧倒的に後者が勝ち、自分の中で何かが変わった
翌日の夜から東京に戻った佳奈とチャット再開
もう会わない!
そう決意した俺に対して佳奈は以前より増して溢れる想いをぶつけてくる
優柔不断な俺はそんな彼女に冷たく出来る訳もなく、ただ現在を楽しむ事に集中してた
しかし…
そんな誤魔化しはいつまでも続かない
京都の思い出話に花を咲かせてる間は良かった
でもそれが終わって日常の会話に戻って行くと次第に心苦しさが増してくる
さらに追い打ちをかける様な出来事が
チャットには個室ルームとは別に待ち合わせ掲示板という場所がある
「拓也202号室で待ってるからね♪ゆか」
「えみり105号室だよ♪浩二」
こんな書き込みがズラッと並んでるところ
そこで俺を待つ佳奈の書き込みはとても熱く真っ直ぐなラブラブメッセージだった
ここに書くのが恥ずかしいぐらい
毎晩そんな書き込みが載ってるので嫌でも他の利用者に覚えられる
「ショウ君と佳奈ちゃんていつも仲良くて羨ましいな(*^_^*)」
「二人見てるとこっちまで幸せな気分になる♪」
なんて書き込みがチラホラ見られる程に
そんな一言一言が俺の背中に重くのし掛かかる
中にはそのラブラブぶりを面白く思わないヤツもいて中傷される事もあった
「公共の場でイチャイチャすんな!キモい!」
そんな時は見知らぬ人達が自分の事の様に反論してくれた
「お前の方がキモいわ!」「かわいそうなヤツ!」「お前が消えろ!」
俺が無視してるのに…
しかも、それに押されて書き込んだヤツが謝罪する始末
いやいやいや…
ありがたいとは思うが正直めちゃくちゃプレッシャーだ
彼らは勝手に理想像を作り上げて俺に押しつけてくる
ますます終わりにしにくい状況が出来上がっていた
もう無理…
そのストレスが頂点に達した時、俺はなんの予告もなくサイトから姿を消した