出会い系な日々
第1章 東京の佳奈・告白
その日以来、佳奈の想いはグングン上昇
チャットする前に掲示板で待ち合わせするのだが、佳奈の書き込みは恥ずかしくなるほどラブラブだった
「ショウここだよぉ〜!早く来てねぇぇえ(≧∇≦)」
不快に思った誰かに荒らされるんじゃないかと不安になる
でも佳奈との会話は楽しかったし、受け答えが噛み合う感じが気持ちいい
不思議なもので、そうやって何日も話してると俺の中のストライクゾーンが拡がり、佳奈の容姿も受けとめられる様になってきた
あくまでもネット恋愛という条件は付くが二人は恋人同士だった
それから何ヶ月か経った頃、いつか来るんじゃないかと恐れていたセリフが飛び出した
「春休みに友達と京都に行く事になったからその時に会って(o^^o)」
一瞬パニック
さすがに会うのはマズい
まだまだ青い俺には本当に浮気する度胸なんてなかった
でも彼氏ならここは素直に喜ぶ場面
そうなれない俺はひとまず牽制してみた
「えっ!友達と来てるのに抜けたら悪いやん?」
ほんのりダメだと匂わせる
「ううん、大丈夫!友達も応援してくれてるし、そのために京都にした様なもんやから」
全く気づかず打つ手なし
回りも固めて会う気満々だ
「あはは(笑)そうなん?ほんまに会えるんや!なんかドキドキして来た~(*^o^*)」
んなわけない
逆の意味でドキドキだ
とうとう来てしまった
会えばもう後戻り出来ずに現実の遠距離恋愛になってしまう
いや二股成立だ
俺にそんなことが出来るのか?
未知の世界に踏み込もうとしている
この日から京都旅行当日まで、不安に押しつぶされそうになりながら彼女とのチャットを続けた