出会い系な日々
第6章 豊中の久美・憤慨
「メールしても返事けえへんし、来ても単語やし、もう会う気ないやろ?」
「それは…研修で忙しかったから…」
「もうハッキリしよ!俺はただ話を聞いて欲しい人?もうエッチはなし?」
サル丸出しの直球発言
ろくにメールも来ないなら嫌われて終わらせた方がいいと思った
「えっ!したいの?」
「したいわい!!」
失うものがない男は強い
「花火の時どんだけ期待してたか。神戸でもあの扱いやし…」
「そうやったなぁ…」
「十三の時からずっと待っててんで?今まであんな刺激的なのなかったもん」
半分本気で半分ヨイショ
「そうなんやぁ…」
沈んだ声でただ返事を繰り返すだけ
呆れてるのか困ってるのか、どちらにしても俺はもう終わったと思った
しばらく沈黙した後…
「私はいいよ♪」
「えっ??」
あまりにストレートでどっちの意味かわからない
「そのいいよは、いやよじゃなく??」
「あははは、うん私でいいならいいよ♪」
「私でいいならって、ずっと抱きたかったっちゅうねん!」
「ほんまかなぁ?でも嬉しいわ♪」
なにこのスムーズな展開!
今まで俺が臆病なだけだったのか?
いや、これは彼と別れて落ち着いたからかも知れない
花火や神戸で誘ってたらどうなったか聞きそうになったが、彼を思い出させて気が変わったら最悪なので止めた
もうどんどん話を進めていく
「次の休みはいつ?こないだのホテルは嫌やろ?早く久美に会いたい!」
長く困難な時期が長かっただけに自分を抑えられない
「明日でいいなら行けるよ?梅田のホテルで知ってるとこえるけど?」
なんと明日!しかもまた久美からホテルのご紹介
「よっしゃー!そこ行こう!決まり!あ〜めっちゃ興奮してきた♪」
「あははは、じゃあ梅田ね♪」
久美の笑い声を聞いたのはいつ以来だろう
待ち合わせ場所と時間を決めるとご機嫌で電話を切った
来た来た来た来たー!
ようやくこの時が来た
俺は十三の過ちを繰り返さないよう、普段あまり飲まない酒を飲んで早めに就寝した