出会い系な日々
第7章 豊中の久美・相性
気がつくと残り時間もあと僅か
2人は慌ててシャワーと着替えを済ませてホテルを出た
やっと満足するセックスが出来て気分がいい
「飲みに行こうか」
「うん、ええよ」
東通り商店街の居酒屋に入ってとりあえずお疲れさまの乾杯
冷えたビールが染み渡る
そこからはお互いの相手の話になった
久美は別れた彼の話
俺も終わった佳奈の話
自然と雰囲気は暗くなっていく
久美はテンションが下がると途端に口数が減る
ハッキリした理由はわからないが神戸の時と似た違和感を感じた
一緒にいて疲れるタイプやな…
恐らく久美と上手くやるには、あの彼の様に振り回すぐらいの自己中じゃないと無理だろう
いや上手く行ってないか
結局そういう女性は自分も幸せになれないのかも知れない
どちらにしても久美と俺は性格が合わないとハッキリわかった
3杯くらい飲んだ頃に久美が唄いたいと言うのでカラオケへ
一瞬神戸の悪夢を思い出したが、さすがにまた携帯に夢中になる事はないだろう
幸いそんな事もなければエロい事もなく、2時間ほど普通に唄って終了
抱きつくとかキスするとか、そんな事をする空気に一切ならないままに…
カラオケを出て久美を阪急梅田まで送っていく
相変わらず微妙な空気が流れてる
改札に到着するまでほとんど会話はなかった
「じゃあ気をつけてな!」
「うん♪ありがとう」
改札を抜ける久美の背中を見て、なんとなくこれが最後になる気がした
「久美!もう会われへん?」
たまらず声をかけた
久美は振り返ると頷くでも首を振るでもなく、ただ微笑んでホームに向かって行った
もう無いんやな…
その予感は正しく、これが久美を見た最後の姿となった
その後また久美は忙しくなり、何度かメールや電話をした後に自然消滅
体の相性が良くても性格が合わなければ続かない事を痛感する
それでも久美に会えて本当によかった
女性の奥深さを学べたし、明らかに見方も変わった
もっと知りたい!
この思いが更なる興味を引き起こし、出会い系をエスカレートさせる事になる