愛は要らないから…
第13章 溢れる想い
待って…
なにその言い方
まるで荒井は俺の事………
「でもこの前お兄さんと会ったよね。
ショックで忘れたくても、そう思うほど忘れられなかった
あの時の秋くんとお兄さん、同じ匂いがした
その時確信したんだ
秋くんはお兄さんと、男と体の関係があるって」
俺は顔を横にそらして、俯いた
見事な推理に、手も足も出せない
ただひたすら黙りこむことしか出来なかった
「やっぱ図星?」
ふふっと笑いながら
そう言った荒井が
すごく怖い…
「でも俺ね
男が恋愛対象に入るなら諦めなくていい
振り向かせようって思った
だからこの前もキスしたし
女と付き合ってると思ってたときも諦めきれなくて
校外学習の時、秋くんバスのなかで寝てたでしょ?
サービスエリアに着いたとき
バスの中誰も居なくて、隣には俺の肩にもたれて寝てる秋くんの顔が近くあって…キスした」
「お前…」
だからあの時怒らなかった?
チョコレートとか奢ってくれたりしたの?
隠れて知らぬ間にキスしたから?
「もう、意味わかんねぇ」