愛は要らないから…
第16章 あの日の荒井
「って、事がありまして…秋くんのお兄さんとは接触してて
そのあとちゃーんと秋くん見つけたって流れ」
「なんじゃそりゃ…」
へなへなと力が抜けていく秋くんに対して
へへっとイタズラっぽく笑った
「なんで荒井が先に大和が俺の事好きなんか気付いて…そんな事…」
「普通みんなわかると思うけど?
男が好きだとしても兄弟はないでしょ…
どれだけ優しくてもあり得ないと思う
なのに手、出すって本気で好きなんだよ
多分秋くんより」
「あ、あぁ、そうですか…
好きなんて感情論外って思ってたから考えたこともなかった
まあでも
今となっては感謝しかない…ありがとう」
やっぱり荒井は大切な友達だ
なんて秋くんの中では綺麗に終わらせてると思うけど
「まだ諦めた訳じゃないからね…」
「え……?なに?」
無意識に口角が上がった
秋くんが幸せなら…って思ってたけど
だって、さっきの話だって
やっぱり俺の方が相応しくない?
「ほーら!早くしないと遅刻だよー!」
「あっ!待てよ!」
俺はそう言うと追い付かれないように走った。
まだまだこれから…
覚悟してね?二人とも