愛は要らないから…
第13章 溢れる想い
「秋…金曜じゃ…」
玄関の扉がガチャリと開くと
俺は大和の言葉を遮るように抱き付いた
行き着いた先はここしか無いって
無意識のうちになぜか当たり前のように大和のマンションへ足を運んでいた
ぬくもりも、匂いも、声も、安心する
大和だ……
「っく……っ…」
いきなりきて、いきなり抱きついたって
大和は俺の事を受け入れてくれて
頭を撫でてくれる
「…っ……ふっ……うあぁぁ!」
安心して、優しさに触れると
耐えていた涙が次々にこぼれて
俺は子供のように声をあげて泣きじゃくった
それでもずっと落ち着くまで
こんな俺を大和は黙って抱き止めたままでいてくれた