天然執事はいかがです?
第17章 家族
「「ただいま~!!」」
そう言っても、広すぎる玄関には誰もおらず寒々しい。
「あれ…誰もいないのかな…?」
「ダイニングの方からなんか聞こえる…行ってみよ?」
私はうまくそう言うと、荷物を置いたままダイニングへ向かった。
ダイニングに向かう途中も誰ともすれ違わなかった。
有斗さんが首を傾げて、ダイニングの扉を開けた。
パンッ!!パパンッ!!!
間抜けな顔をする有斗さんの顔にはクラッカーの紙がまとわりついた。
『有斗!!!お誕生日おめでとう!!!』
全使用人や、屋敷内の者、母さんに海外にいるはずの父さんや爺やまでそこにはいた。
「皆…どうして……」
有斗さんは鯉みたいに口をパクパクさせた。
私はそんな有斗さんの正面に立った。
「有斗さん、19歳の誕生日おめでとう!!!」
「どうしてそこまで…!!」
「使用人さん達のデータの管理してる爺やに聞けば早いよ☆」
有斗は藤原老人を見ると、老人は我が息子に可愛らしくウィンクをした。
有斗は嬉しすぎて力なく笑った。
「皆さん…ありがとうございます……!!」
これが私達の家族、篠原家。
皆みんな大好きで、大切な家族なんだ!!!
特に有斗さんは別の大好きだけどね♪
「有斗さん、この先ずーぅっと一緒だよ?」
「勿論…!!もう何がなんでも、絶対菜月を離さないからね!!」
「ぜひ離さないでください!!」
皆の前で、私達は甘い甘いキスをした。