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第11章 かわいいひと〜母ちゃんの入院〜



紙パックのジュースを手に櫻井が戻って来た。

ひとつ俺に渡して母ちゃんには飲める時に、と言ってジュースや水のペットボトルを小さい備え付けの冷蔵庫に入れてくれた。

「ゆっくり喋ってていいぞ。俺はあっちに休憩室があったからそこで学校に連絡したり、本読んだりしてるから。」

「うん。ありがとう。」

母ちゃんに会釈をして出て行った櫻井。

母ちゃんと少し話をした。

仕事帰りにスーパーで買い物してたらクラクラして、しゃがんだまでは覚えてるけどそのまま倒れたみたいだと。

救急車や病院で時々目を開けたり喋ったり出来ていたし、意識も割と早くハッキリしてたって。

人がいる所で、頭とか打たなくて、本当によかった、ってお互いに言い合った。

職場に電話と化粧水や歯ブラシを買って来て、って待たされた財布を手に廊下に出てびっくり。

先生が…二宮先生がいた。

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