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第11章 かわいいひと〜母ちゃんの入院〜



病室に戻る途中、櫻井のいる休憩室に立ち寄る。

「先生。ありがとう。
母ちゃんの病院に連絡入れた。
歯ブラシとかも買って来た。」

「お、そうか。」

母ちゃんに買ったのを渡して、母ちゃんの上司がお大事に、って言ってたよと話す。

「皆さんに迷惑や心配をかけちゃった。」

「大丈夫ですよ。頑張り過ぎたんです、きっと。あまり気にせずに、ゆっくり疲れを取って下さい。」

櫻井の言葉に頭を下げる母ちゃん。

入り口の方で控えめに佇んでいた二宮先生に気づいた母ちゃんが俺を見て尋ねる。

「あ、二宮先生だよ。アパートの上の…。」

「ありがとうございます。
ご挨拶もお礼もきちんとしてないままで。
あの時はありがとうございました!
なんだか、すみません、いつも。」

「いえ!こちらこそ。
頂き物まで…すみません。
ありがとうございました。」

そして母ちゃんは小さい声で俺に言う。

「あんたの友達かと思ったわ。」

ぷ。

だよね。

それは櫻井にも聞こえたらしく笑いを堪えてる。



ひとりクエスチョンマークを頭に浮かべてる二宮先生。

いーんだよ、先生は。

気にしなくて。

可愛いってことだから。

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