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第11章 かわいいひと〜母ちゃんの入院〜



「お母さん?雅紀くんに何か持ってきて欲しい物とかあれば…僕、車で連れて帰って戻りますけど?」

気を遣って申し出てくれる櫻井に母ちゃんが答える。

「さっき買ってきて貰ったので今日は大丈夫です。ありがとうございます。」

一旦学校に戻る、という櫻井に二宮先生が俺が残るから大丈夫だよ、というやり取りを聞いて母ちゃんが入り込んで喋る。

「もう大丈夫なので。ありがとうございました。
…雅紀も帰って…ね?」

それじゃ…

みんなで病室を後にした。

元々、開けっ放しだった病室を出る時に振り向いて、バイバイ、って手を振ると母ちゃんは元気な明るい顔で、バイバイ、って言った。

先生が櫻井に自分たちで帰る、と言ったけど櫻井は、遠慮すんな、って車で送ってくれてアパート前で先生と降りた。

「先生、本当にありがとうございました。」

「全然!大した事なくてよかったな。
じゃあまた明日。
にのも、明日な。」

「翔ちゃん、ありがとう。」

先生とふたりで櫻井の車を見送った。

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