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第11章 かわいいひと〜母ちゃんの入院〜



先生が当たり前のようにベッドをキレイに整えて俺に寝よ?、と声をかける。

……

先生…

先生にとってどうってことないんだよね。

俺もそうだったんだけどなぁ。

なんか、もう、ちがう。

説明出来ないけど。

でも一緒に布団に入る。

先生と一緒に眠りたいから。

「今日は大変だったな。ゆっくり眠れよ。」

「うん。ありがとう先生。」


「うん。」


「…先生?俺…」

「ん?」

「怖かった。母ちゃんになんかあったら。俺…」

……

先生はそっと手を握ってくれた。

「そうだな。怖かったな。
大丈夫。お母さん、すぐ元気になる。元通りの生活だよ?」

「…うん…。」

先生は繋いだ時と同じようにそっと手を離した。

でも少しして俺から手を動かして先生の手を握った。

先生はなにも言わず、手をほどかずにそのままでいてくれて。

俺はすごくうれしくて、あたたかい気持ちで眠りについた。

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