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第11章 かわいいひと〜母ちゃんの入院〜



先生はお風呂を溜めて先に入るように言ってくれた。

「出たよ!」

「はーい。」

俺が出ると入れ違いに入る。

「歯磨き粉もらうね。」

「おー。
お前、髪ちゃんと拭けよ。」

洗面所に俺がいても気にもせず後ろで服を脱ぐ先生を鏡越しにチラ見。

背中合わせとはいえすごく近い距離で裸になる事にドキドキしてるのは俺だけ?

バタン

閉められた風呂場の扉。

この場がまだ終わって欲しくなかったような、ホッとしたような。

鏡の中の俺。

歯ブラシを動かしながら先生の白い背中がフラッシュバックしてる。

なんなの、俺。

はーっ。

ため息なのかなんなのか。

自然と出てしまったそれを今度はドキドキしてる鼓動を鎮めるように意識的に深呼吸してみた。

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