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第12章 かわいいひと〜別れ〜



相葉にシリアルと牛乳を出す。

ヨーグルトも、目についたパンも。

「好きなの食え。あ、ジュースがよかったら冷蔵庫にあるからな。」

「うん。ありがとー。でも牛乳飲む。」

牛乳をコップに注いでシリアルにも手を出して、そこへも牛乳を入れてから俺にも食べるかと尋ねる。

「せんせー!シリアル食べる?牛乳は?」

「おう。食べる。飲む。」

ふたりで、いただきます、をして取る朝食。

ままごとみたいだけど楽しいから自然と笑みがこぼれる。

「相葉?」

「んー?」

シリアルをスプーンで掬って口に運ぶのを見ながら俺は自分の携帯をテーブルに置く。

「…登録しとけ。
なんかあったら連絡して。」

「……」

うるうるな瞳で俺を見た後にテーブルの携帯を凝視。

泣く…?

「…ありがと。」

ボソボソとつぶやいて携帯を手にして自分のを出して操作する。

終わると俺に渡しながらもう一度、お礼を言われた。

「先生、ありがとう。
誰にも教えないから。
俺だけの…」

そう言って恥ずかしそうに笑った。

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