テキストサイズ

Everything

第12章 かわいいひと〜別れ〜



「先生。
本当にありがとう。」

何回目だ?ってくらいの“ありがとう”を言って相葉は帰って行った。

制服は自宅だし、他にも色々と準備があるだろうから。

さっきまで、あいつがいた部屋を見渡す。

ガランとして見えるのは…

寂しいとも思えるのは…

……

また一緒にいたいと思うのは?

もう会いたいと思うのは?

……

は…あ…

胸が痛い。

わかってるんだ。

この胸の痛みの正体は。

でも…

まだ知らないふりをする。

できることなら気づいてないことにしたい。

可愛いあいつのお父さんにでも、お兄ちゃんにでもなって、そばにいたいと思うから。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ