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異彩ノ雫

第9章  七ノ月 ④




宵闇せまる庭園は

人の気配も消え果て

ただ 虚ろな時間に包まれる



片隅のベンチに憩えば

届かぬ人の面影ばかりが慕わしい



…いつの間にか

降り始めた細い雨



髪から頬… 両の肩が

抱かれるように濡れてゆく







【霧雨】


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