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異彩ノ雫

第8章  夜想曲 ③




歌うように風が吹き

耳元に潮騒の響きを運ぶ



伸ばした指先で触れるグラスには

オリエンタルブルーの海が眩く映り

唇さえ染めゆく心地の甘やかさ



理想郷に遊ぶ旅人ふたり

戻るうつつを忘れはて 時を過ごす…



飲むほどに 今宵も夏の夢に酔ってゆく







(了)


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