テキストサイズ

ただあなただけを見つめる

第22章 HAPPY BIRTHDAY





「あったかい…」


マフラーを巻いてニコニコ。

どうやらとても気に入ってくれたみたいでよかった。




「夏帆、ありがとう。」

「どういたしまして。」



マフラーを巻いたまま抱き着いてくる。


そのままベッドに押し倒された。



「夏帆……今夜の俺は激しいからね?」

「はいはい。」



暁はそう言うとマフラーを外し、服を脱いだ。


私も同じように脱がされ、お互い生まれたままの姿に。


左手の指輪だけが輝いていた。



「恥ずかしいから電気消して…?」

「はーい。」



言われた通り電気を消し、枕元の照明だけをつけた。




暁はいつもより情熱的で、激しかった。



ひとつになった時、暁は言った。



「夏帆……ずっと俺だけを見つめていて……?
俺がもしいなくなっても、ずっと待っていてほしい…。
ずっとずっと愛してる…」

「あっ…暁……?」



その時、



“ポタッ”


と頬に一粒の涙が落ちた。



私じゃない。


……暁の涙だ。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ