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ただあなただけを見つめる

第18章 悪魔




―――――…



「♪」


鼻歌を歌いながらパンを並べる。

同じようにロールパンを棚に並べる奥さんが私を微笑ましく見ていた。



「夏帆ちゃん、ご機嫌ね。
何か楽しいことでもあった?」

「明日はイヴですから。」



そう、明日はクリスマスイヴ。

そして私の誕生日。



暁がケーキを買ってきてくれるんだ。

恥ずかしいから顔には出さないけど、すごく楽しみ。



「あ、暁ちゃんと楽しいイヴを過ごすのね。デート?」

「秘密でーす!(笑)」

「まあ。」



ふふふ、と笑いあう。


店長と奥さんは子供が大きくなって家を出たから寂しかったらしいけど、

今は私を実の娘のように扱ってくれる。



奥さんになら恋の悩みとかも話せるし、

“お母さん”ってこんな感じなのかな。


店長は「わしには何も話してくれない…」って拗ねてるらしいけど。


それもドラマとかでよくある
“思春期の娘とお父さん”って感じなのかな。



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