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花音学園完結物語

第6章 ~蘇る夏の海のトラウマ~

好文君にはもう、去年の事で自分を責めてほしくない…。

好文君には、犬みたいに人懐っこい笑顔で、ずっといてほしいから…。

「でも結局は、僕のこの気持ちが裏目に出ちゃったんだよね…。」

そう言った時、更衣室のドアが勢い良く開く。

「そういう事だったんすね…。」

「好文君!?」

「好文先輩!?」

更衣室のドアを開けたのは、先ほど更衣室から出て行った好文君だった。

「好文、出て行ったんじゃなかったのか?」

「もしかして、ずっとドアの向こうで話を聞いてたの?」

「あぁ」

照明君と、光輝君の質問に頷く好文君。

「夏海さん」

僕の名前を呼びながら、好文君は更衣室のドアを閉め、僕の目の前まで来る。

「好文君…。」

全部、話聞かれてたんだ…。

今、どう思ってるんだろう…?

僕は、好文君が次に口を開くまで待った。

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