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大切な人へ

第5章 終業式


でも彼にはとても感謝している
母を笑顔にしてくれたから
不安だっただろう母を支えてくれたから
彼は私たちにとても優しかったから

でも父親ではない。私の父は1人しかいない


次第に家に来ることが増え、
私はその家が居心地の悪いものになっていった
私が中学に入る頃には再婚して一緒に住んだ



私は高校受験をする前に母と話しをした
今の高校に受かったら1人暮らしをしたいと
もちろん反対をされたが、本当は2人共
気付いていたらしい


学費 家賃を出して貰えたら後は自分で働く
高校受験が終わったら早朝のバイトをして
家具家財も自分で揃える
勉強もしっかりする

真剣な私の言葉に2人は納得してくれた


2人にはずっと気を使ってきた…
食事とお風呂以外はずっと自分の部屋で勉強

ドアは全てノックをして開けていた。だって
新しい旦那さんと2人でいたいだろうから


母は幸せそうだった…私がいない方がいいと思った



2人は決して邪魔者扱いはしなかったけど
私が自分で離れていったんだ…
少し遠くで見守りたいと


でも
距離を置きすぎたのかもしれない

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